マクロビの考え方の中心に、「一物全体(いちぶつぜんたい)」があります。平たく言うと、たとえば野菜や魚などは、可食部だけでなく根や皮や骨はもちろん内臓やアクなども含む丸ごとの状態でバランスがとれているので、それを全て食べるのが望ましい、というようなことです。その代表が、米を丸ごと食べる玄米食なのです。
また、マクロビでは陰陽のバランスをとても重要視します。全てのものは、マイナスのパワーを持つ陰とプラスのパワーを持つ陽とに分けられ、それらを偏らないようにとることにより、バランスを取るという考え方です。食べ物や飲み物はもちろん、調味料や調理法にも陰陽があるんですよ。
加えて、「身土不二」という考え方もあります。これは、自分の体と住んでいる土地とは深い関係があり、住んでいる場所の近くでとれた食べ物を食べることが体にとって望ましい、というものです。
たとえば、寒い地域で取れた果物は体を温め、暑い地域で取れた果物は体を冷やす効果があります。なので、冬にトロピカルなフルーツを沢山食べると、お腹の具合が悪くなったり、体の調子がおかしくなったりするというのです。思い当たるふしが、けっこうありますね。
あとは、食べるものの量の比率ですね。ピラミッド状の一番下が未精白の穀物で、その上が野菜、豆類、果物、魚介、ナッツ、乳製品、卵、そして頂点が肉、のバランスで食べることが、体にとって理想的だということです。これは、まんま昔の日本の食生活ですよね? 肉や卵、乳製品などの動物性のものは殆ど取らなくても、丸ごとの穀類や野菜、豆類だけで結構栄養的には満たされているようです。
でも、私も夫も、肉は嫌いではないしチーズは大好物、ケーキなどの甘いものもお茶類もお酒類も大好きです。これらを全て断つのは、ちょっとつらすぎますので、我慢はしすぎないようにしています。基本的に日常は殆どとることはありませんが、週末などにちょっと特別な気分で、多少素材も量も厳選し、しっかり味わって楽しんでいます。
うちでマクロビを取り入れてから、かれこれ約3年くらいになります。きっかけは、米とぎを手伝ってくれていた夫から、水も汚れないし手も冷たくないから無洗米にしようと提案があったことです。そこに、お互い若いときから食べたことがありわりと好きだった押し麦やもちきびなどを足すようになり、やがて発芽玄米というものを発見します。
発芽玄米は、美味しいけれど少し割高。でも普通の玄米を1日水に漬けておけば、発芽状態になるし、普通の炊飯器で白米と同じ要領で炊ける事を知ります。
その一方、玄米のぐるりに当たるぬか部分は農薬が残留するので、無農薬栽培のものでないと、美味しくないばかりか体に悪影響があるとか。ちょうどこの頃無農薬有機栽培野菜の宅配を取り始めたので、試しに頼んでみました。お米なんて、薬を使わないと作れない作物の代表のように思っていましたが、日本には、農薬も化学肥料も全く使わずに、お米を作っている農家の方が沢山いらっしゃる事を知りました。値段もそれほどとんでもなく高いわけではないので、うちでも十分毎日食べることが可能です。毎日感謝していただいています。農家の方のご苦労には、頭が下がります。
玄米を主食にすると、ビタミンやミネラル類など白米に比べかなり栄養的に優れているし、食物繊維が豊富なので腹持ちがとても良いです。そして、お通じが、絶好調になります。何よりもプチプチとした食感と独特な味が、とても気に入りました。無理せず正直に、美味しいと思います。
玄米さえ食べていれば、そこそこの栄養が取れるので、あれこれのおかずを作らなくても良くなりました。毎日のお弁当には、玄米に雑穀を加えて炊いたご飯に、自家製の梅干やすりごまを入れたおにぎりだけを持っていっています。それに、たまに野菜を使って料理をするときも、なるべく皮をむかずアクもとらず、捨てる部分は最小限に工夫して使うため、生ごみの量が激減しました。
そしてマクロビでは、基本のだしを植物性の干ししいたけ(陰)と昆布(陽)の合わせだしでとります。でもこの昆布が、海藻ですから、甲状腺機能亢進症の私は食べることが出来ません。だし味を濃くすると、塩分が薄くても気にならないので、だしは欠かすことが出来ませんね。そこでうちでは、無理をせず粉末状態の鰹節を使ってだしをとっています。
自宅での料理で、私が海藻を食べることは全くありません。外食などでは極力入っていないものを選び、入っている分はきれいに外して残したり、同行者に食べてもらったりして、見える海藻は排除しています。でも、昆布だしを使っていない料理を日本で求めるのは、恐らく無理ですね。別にドクターに、激しいアレルギーかなにかで完全に断つように指示されたわけではないので、そのくらいは多分大丈夫、と思っていただくことにしています。
マクロビは、一見すると栄養失調にでもなりそうな食生活です。ですが、毎年受けている職場の健康診断が、マクロビをとり入れて以来とてもいい成績で安定しているんです。そして甲状腺の方も、昨年暮から薬を止め、その後も症状が安定しているところを見ると、私のやり方は間違っていなかったのだと、思うのです。
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